金属で美しさを表現する曲げ加工の技術力で信頼を得る
現代工業は1990年の創業以来、35年にわたり建築金物を中心とした板金加工に携わってきた。看板やディスプレイ製品が主力で、取引先は設計事務所やハウスメーカーなど約130社。このうち活発に取引をしている顧客が約50社になる。顧客の8割が生野区の工場から半径5km圏内に集中しており、地理的条件は良く、顧客との関係性も良い。金属の切断や曲げ加工などの技術力に定評があり、地域のものづくりを支えている。
同社の強みは、レーザ加工機や複数台のベンディングマシンなどの設備をフル活用し、設計から切断・曲げ・仕上げまで、溶接以外の板金加工を一貫して対応できること。特に高精度の曲げ加工を得意とする。図面がない開発の初期段階からでも、顧客に形状提案やVA/VE提案などを行い、建築家やデザイナーの意図も汲み取り、金属加工で美しさを表現する。“デザインをかたちにする”、これが同社のモットーである。
その代表例が、「Rのクロージング曲げ」である。2021年には、板金加工機械の大手・アマダが運営するアマダスクールの優秀板金製品技能フェアで厚生労働大臣賞を受賞した。1枚の板から曲げ加工のみで製作したこの作品は、金属で美しさを表現する同社の技術力の強さの表れであろう。現在は、若手社員の育成・技術継承にも力を入れており、社員の自主性やモチベーションの向上にも成功している。
溶接をせず曲げ加工だけで美しいデザインの形状をつくる。その技術力の確かさを象徴する作品が、2025大阪・関西万博の象徴だった「大屋根リング」の板金模型である。直径2m、約1/300スケールの模型を、社員たちの力で曲げ加工だけで製作し、万博会場に展示して技術力をアピールした。前年の2024年には「Rのクロージング曲げ」以上に複雑な「三重Rのクロージング曲げ」を発表し、優秀板金製品技能フェアの単体品の部においてグランプリを受賞している。
生野区というものづくり地域で育んできた技術を次のステージへと進化させたい。その思いから、自社ブランド「EXTLINE」を立ち上げた。
長年培った曲げ加工の技術とステンレスの美しさを融合させ、シンプルでありながら存在感のあるデザインを徹底的に追及するというコンセプトのもと、試作と検証を重ねた。2025年12月に初の製品「ダストボックス」を完成し、販売を始めた。李洋希専務によれば「自社製品比率を10%くらいに持っていく」ことが目標で、展示会などで情報発信に努める。