業界トップシェアの熱交換器の専門メーカー
境川工業は、熱交換器の専門メーカーで、フィン・チューブ式と呼ばれる機種の設計・製造を得意とする。主な用途は乾燥機や除湿機などに内蔵される産業機械向けや、船舶・塗装エリアなどに使われる空調用など。フィルムや電池、薬品、不織布、様々な製造現場で採用されている。年間約3,000台を製造し、そのほとんどがオーダーメイド品。業界シェアは約30%を占め、売上高も業界トップを維持している。
同社の熱交換器は、顧客仕様の性能を保証するため、すべてオーダーメイドでの受注生産となっている。そこで、交換熱量や構造、耐圧、耐久性などの要求仕様を満たす熱交換器を提案する能力計算プログラムを独自に構築。創業以来、培ってきた経験とノウハウに裏付けられたプログラムとなっており、これに連動した設計技術力と短納期で製品化する製造技術力で対応する。併せて、各種能力テスト用熱交換器による性能試験や検証を重ねることで既存製品の性能向上や新製品の開発を進めてきた。
フィン・チューブ式熱交換器の重要部品であるフィンについては、形状・ピッチ・伝熱管の密着度などを見直し、性能試験などを積み重ねた結果、熱交換率の大幅な上昇を実現。2023年8月には「放熱フィン、及び、放熱フィンを備える熱交換器」の名称で特許を取得している。上述の能力計算プログラムは妥当性確認を繰り返し行っており、さらなる熱交換率の向上をめざして技術に磨きをかけている。
都市部のビルなどでの保管を可能にする急速充填型水素吸蔵合金タンクを共同開発した。水素吸蔵合金には、常温・中圧下で自体積の1,000倍の水素を吸蔵し、かつ着火しない安全性の高い新材料を使用。従来素材を用いた水素急増合金タンクは、水素の吸蔵・放出が緩慢となるが、同社の熱交換技術を活用することで急速な吸蔵・放出を可能にした。
その革新性が高く評価され、「関西ものづくり新撰2025」(近畿経済産業局)のカーボンニュートラル社会の実現(GX)に選定され、2025大阪・万博の大阪ヘルスケアパビリオンに、「次世代の蓄熱設備」で出展を果たした。
熱交換器は常に過酷な条件下で使用されるため、圧力を受ける部分の溶接には高度な技術が要求される。それゆえ、製作技術の向上にも注力しており、中核となる溶接技術の向上のために関連する資格の取得も進めている。溶接管理技術者1級が2名、2級が3名、ボイラ溶接士特別が4名、普通が1名在籍するに至っている。ボイラ・第一種圧力容器製造許可工場となっている本社工場と第2工場で高品質な熱交換器を供給している。