30,000型の製作実績と工法転換の提案が強み
更新日: 2026年3月13日
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升岡金型製作所は、プリント基板や電子部品向けの高精度な打抜き金型の設計・製作を手がける。EV(電気自動車)バッテリー用トリミング金型や医療用フィルム金型など精密かつ高耐久の金型製作を得意としており、CFRPや積層板、医療用ガーゼなど複合・高機能素材の加工にも対応する。
これまでに製作した金型は30,000型以上に上る。手のひらに納まる小型から250kgを超える大型まで、また1mm以下の微細穴加工や0.2mm×1.2mmの極小製品用金型の製作実績もある。設計から製作まで社内で一気通貫で対応できるのも魅力だ。
主に総抜き型、シェービング型、プッシュバック金型、ハーフカット&フルカット型の4種類の金型を製造する。これらの金型を組み合わせつつVA/VEを通じて顧客の目的に適した金型および工法を提案する。
取り扱う金型は、10枚以上の金属プレートを精密に組み合わせて構成され、このときのわずか0.1mmのずれが、金型全体で約1㎜のずれを生じることになる。各金属プレートのズレは数値化し、全社員で共有・管理していることが強みの1つで、設計値との差異や温度変化による0.001mm単位のズレを把握・補正して金型を組み上げることができる。また、加工機ごとにトレーサビリティを取得しており、ズレ量の増加を検知してメンテナンスを行うアラーム機能も備える。
例えば、ハーフカット&フルカット型で製造するラミネート型蓄電池用金型では、2μmのずれがフィルムのバリの発生につながる。このような数値管理により超精密かつ300万回以上のプレスが行える金型の提供につなげた。
高精度と環境配慮を両立した提案でも実績がある。SUSヒーター配線は、酸性液によるエッチングやレーザ加工で製作する。薬液排水と廃液処理の問題に加え、加工熱による寸法不良といった課題があるが、金型プレス加工による工法転換により、これらの課題を一気に解決した。加工時間はわずか1秒と高効率で、かつプレス後のサスの端材や金型もリサイクル可能にした。プリント基板用金型の製作の知見で具現化したこの工法は、顧客から高く評価されている。
CFRPのケバ(微細なバリ)を発生せずに加工できる金型製作も実現している。CFRPの加工では、ドリルやレーザ、ウォータージェットが用いられるが、加工時間を要し、リードタイムの短縮が課題となる。そこで、プリント基板用金型製作のノウハウを応用して、わずか1秒で外形加工と穴加工を行う金型を開発。打ち抜きトライにおいてケバのない美しい仕上がりとコスト低減を達成した。難加工材とされる炭素繊維材に対しても、金型技術を生かした新たな工法を提案できるのも強みである。