メイドインジャパンにこだわる溶接のスペシャリスト
更新日: 2026年3月13日
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TK工業は、半自動溶接やTIG溶接、アーク溶接といった一般的な溶接から、高難度の銅の溶接やロウ付け、ガス溶接などの特殊溶接まで、溶接加工に幅広く対応する。また、手のひらに乗る小物部品から2tクレーンを用いる大型重量物まで多様なサイズにも対応する。
コロナ禍以降は、加工ノウハウを生かすかたちでフライパンや鍋などの調理器具の製造を開始し、BtoC事業にも進出。日本製へのこだわりと技術力の高さが口コミで広がり、現在は国内外で販売している。
主に油圧シリンダや新幹線の車輪といった丸物の溶接加工で定評がある。これらは高圧に耐える強度と高い気密性が求められるため、他社では対応が難しい手直しや補修の相談を受けることが多い。品物の材質に応じて最適な溶材を選定し、溶接時の温度管理を徹底することで高品質な仕上がりを実現している。
ある溶接ロボットメーカーによると、丸物の溶接加工は機械に載せて回しながら溶接をするため、現状ではロボットによる自動化対応が困難だという。溶接業界は若手人材の不足に伴いロボットの導入が進展しつつあるが、わずかな気温や湿度の変化により溶接条件が異なるため、今も経験が強く求められている。そんな中で、1つひとつ丁寧に仕上げる同社の溶接技術は、顧客から信頼を寄せられている。
溝内健三代表は、2020年開催の「第56回堺市溶接コンクール」半自動炭酸ガス・アーク溶接の部で金賞受賞の経歴を持つ。一般的な溶接から特殊溶接まで、また、材質も一般的な鉄から特殊合金まで様々な溶接に対応する。作業の多くは手作業で行っており、顧客からは「他社で断られた溶接をお願いできる」「仕上がりが早く時間短縮につながる」「溶接後の切削加工時に出る欠陥がゼロ」と信頼されているという。
BtoB事業で培った溶接技術を生かしてBtoC向け自社ブランドを設立。主な商品は鉄板やフライパンなどの調理器具や薪ストーブ。日本製の材料を使用し、手作業で製作している。調理器具には特殊鋼材を使用しており、熱伝導率の良さから食材の旨味が増すと好評だ。
堺のものづくりの認知度向上のため、工場の一角に見学スペースをつくった。ワークショップの開催や自社製品の紹介を通じて、ものづくりの楽しさを発信している。